「びわこ号サポーター倶楽部 vol.1 トーク&ライブ」に行ってきました.これは,「びわこ号」の通称で知られ,現在は京阪電気鉄道 寝屋川車両基地に静態保存されている京阪60型電車を自力走行可能な状態に復元するプロジェクトの始動記念イベントです. この「びわこ号復活プロジェクト」は,寝屋川市が京阪電気鉄道と連携して取り組んでいます.
パンフレットで告知されていた順番とは逆に,前半にライブ,後半にトークセッションが行われました.
出演者として大変魅力的だったのは,京阪の発車メロディの作曲を手がけた向谷実氏です. 「びわこ号復活プロジェクト始動記念ライブ」と称して,クラシックデュオ「杉ちゃん&鉄平」と共に演奏をされていました. また,自身が作曲した京阪の発車メロディのアレンジ曲「MIYABI」の演奏や,発車メロディの作曲過程の解説をされていました.
トークセッションには向谷実氏のほか,びわこ号復活プロジェクト総合プロデューサの橋爪紳也氏,京阪電気鉄道 鉄道企画部長の岡秀敏氏および,寝屋川市 ブランド戦略室長の市川克美氏が参加されていました. トーク内容はびわこ号を軸に多岐に渡っていましたが,びわこ号復活に向けての課題として以下の点が挙げられていました. メモなどを取っていたわけではないので,多少ブレがあると思います.また思い出したら,加筆修正をします….
プロジェクト進行上のポイント
- 平成26年度内に車両基地内で「びわこ号」を自力走行させることが当面の目標である.
- 資金が8000万円必要.募金で集める方針で,昨年9月から現在までに約230万円が寄せられた.
- 募金でプロジェクトを進めるのは,プロジェクト賛同者参加型で行いたいため.
- 募金提供者がプロジェクトの進行状況を日々把握でき,プロジェクトの存在を他者に拡散できるような枠組みが必要ではないか.FacebookなどのSNSの活用,寝屋川車両基地の見学ツアーの定期実施などの案がある.
- 法律などの関係上,本線走行は極めて厳しい.
「びわこ号」復活に向けた技術的課題など
- 枚方パークに静態保存する際に撤去したため,制御機器や電動機が現存しない.
- 「びわこ号」は架線電圧600V時代の車両で,現行の1500V用の制御機器が搭載できるか不透明.
- つり掛け式電動機の調達が難しく,1500V対応が可能かもわからない.
- 塗装を変更するかどうか検討中である.
- (本線を走行させる場合)現行法に合わせて車内設備を入れ替えなければならない.木材を不燃材に替える必要がある.
- (本線を走行させる場合)自動車の車検にあたる検査に合格しなければならない.
- (本線を走行させる場合)定期検査が必要なため,維持費として年間数百万円が必要になる.
- (本線を走行させる場合)地下鉄線は,火災対策など,法律による規制が大変厳しい.
びわこ号の塗装はこれまでに5回程度変更されているそうで,復活の際にどの時期の塗装を再現するかは未定だそうです. 今日は,プロジェクタで過去の塗装を再現した画像を映し,観覧者に挙手によるアンケートを取っていましたが,現行塗装維持の意見が大多数でした.
トークセッションで,向谷実氏にびわこ号復活プロジェクトのテーマソングの作曲を依頼する声が出て,ライブで使用したピアノを使って即興演奏をする場面がありました. 大阪と大津を結ぶ「びわこ号」ということで,「大津」という発音をモチーフにした曲をその場で考え,演奏されていました. 大変興味深いシーンでした. 今後,ちゃんと収録し直した後にネット上で公開するようにしたいとおっしゃっていました.
びわこ号を復活させるという話を聞いたときは,私自身,上記と同様の問題点が思い浮かび,「ちょっと厳しいんじゃないの?」と思いました. しかし,いよいよプロジェクトが始動したとのことで,今後の進展がより楽しみになり,期待が高まる段階になったと思います. 楽しい時間を過ごせました.時間があれば,次回も観覧してみたいです.
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