概要
私はPetaLinuxをDocker上で使用しています.ググると同じように環境構築されている方も多いようですね. GitHubで必要なファイル一式を公開していますので,ここにDockerイメージの作成方法をメモしておきます. 私はチュートリアルに毛が生えた程度しかPetaLinuxを触りませんので,もし不具合がありましたらissueでお知らせいただけると助かります. 私は,Dockerホスト環境としてUbuntu 16.04とUbuntu 20.04を使用しています.
準備
SSDまたはHDDの空き容量を15GB程度は準備しておいてください.作成するDockerイメージは10GB程度のサイズになります. 予め,XilinxのWebサイトからPetaLinuxのインストーラをダウンロードしておきます. ここではダウンロードディレクトリを/data1/Software/Xilinxとし,PetaLinux 2020.2をインストールすることにします.
ダウンロードしたファイルは下記のパスとします.
- /data1/Software/Xilinx/petalinux-v2020.2-final-installer.run
GitHubからファイル一式を取得します. ここではgit clone先のディレクトリ名をpetalinux-baseとしていますが,未指定で既定のままでも問題ありません.
git cloneしたディレクトリに移動します.
docker build
PetaLinuxをインストールするベースとなるDockerイメージ,keitetsu/petalinux:ubuntu16.04-baseをビルドします.
PetaLinuxのインストール
ビルドしたDockerイメージを起動し,手動でPetaLinuxをインストールします. テキストエディタでrun_base.shを開き,--volumeオプションの/data1/Software/Xilinxの部分をpetalinux-v2020.2-final-installer.runを格納したディレクトリに書き換えます. このディレクトリは,Dockerコンテナ上では/dataとしてマウントされます.
PetaLinuxはrootではなく一般ユーザでインストールする必要があります. このため,Dockerホスト上のユーザのUIDとGIDを使ってDockerコンテナ起動時にユーザが作成されます. 任意のUIDとGIDを使用したい場合は,run_base.shで指定してください. これらの処理は,entrypoint.shに記載しています.
run_base.shを実行します.
通常通りPetaLinuxのインストールを進めてください.ただし,インストールディレクトリは/opt/Xilinx/PetaLinuxとしてください. このディレクトリはDockerイメージ上に予め用意されています.
インストーラを実行すると,ライセンスに同意するかどうかの入力が求められます. ライセンス文書が表示されたら'q'キーで閉じ,'y'を入力して同意します.3項目に同意が必要です.
インストールが完了してプロンプトが返ってきたら,Dockerホスト側で,今までDockerコンテナを操作していたものとは別の端末を開きます. docker psコマンドで,keitetsu/petalinux:ubuntu16.04-baseのコンテナIDを確認します.
DockerコンテナをDockerイメージとして保存します.${CONTAINER_ID}には,先ほど確認したコンテナIDを入れてください.
これでDockerイメージを作成できました. PetaLinuxをインストールするために起動したDockerコンテナはexitで終了してください.
使用方法
作成したDockerイメージを起動するためのシェルスクリプトは,run_base.shを改変して作成します.ここではrun.shとして保存します. /workspaceには,Dockerホスト上のPetaLinuxプロジェクトを格納するディレクトリを指定してください.
run.shを起動すると,下記のようにDockerコンテナが起動してPetaLinuxでの開発準備が整います.
Vitis, VivadoのDockerイメージ
VitisとVivadoの開発環境も同様にDocker上に作成することができます.私のファイル一式は上記です. こちらはまだ手順を書くことができていないのですが,PetaLinuxと同様に,下記の要領で作成します.また手順を書きたいと思います.
- ベースのDockerイメージをbuild/build.shでビルド
- run_base/run_base.shでDockerコンテナを起動
- install/installを参考にVitisをバッチモードでインストール
- install_xrt_bdf/build.shでXRTとサードパーティのbdfをインストール
- docker commit
- run/run.shでDockerコンテナを起動
petalinuxのインストール作業自体をDockerfileに記述できないか模索中です(インストーラのコピーは適切に行うとして、インストール中の「ライセンス文書が表示されたら'q'キーで閉じ,'y'を入力して同意します.3項目に同意が必要です」をどうするか)。
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